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「整形美女」

 2007-10-16
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整形美女
icon 新潮文庫
お客様オススメ度 ★★★★★
著者/訳者名 姫野カオルコ/著
出版社名 新潮社 (ISBN:4-10-132123-X)
発行年月 2002年10月


整形手術を受けた2人の女性を軸として「美しさとは?」という命題を筆者独特の哲学を持って描いた作品です。


 主人公の一人、甲斐子がもって生まれた容姿は、本書のはじめに登場する老医師曰く「絶世の美女」。ところが彼女はその容姿に満足せず、あえて小さな目、ふっくらした頬、鼻を低くし、腰も太めにして、貧乳手術をすることまで考えていました。

「なぜ?」

 彼女は実は男性にもてたことがなく、彼女自身、この先ずっと自分はもてることがないと悲観していたのです。そこで彼女が考えたのは「男性にもてる容姿」に自分を変え、男性を惹きつけられるような「匂い立つような清潔感のある不潔感」(男性サイドから言う「清潔感のある色気」だそうな)をかもしだせるように自分を変身させるということ。彼女は3段階の「計画」を練っていました。そして整形後、彼女は彼女の予想通りに、恋愛市場で「勝ち組」となっていくことになります。

 そういえばこのテの容姿って、「あいのり」に出ていたちゃきそのものやん。確かこの人もあいのりの旅ではやたらモテていたような気が・・・。そうすると、モテるためにこういう容姿に整形するという行為はなかなか世の男性たちの好みをよく読んでいたのでしょうね。


 もう一人の主人公、安倍子は甲斐子の高校時代の同級生。彼女はもともとは甲斐子が望んでいたような容姿をもち、とりたてて美人ではないがなぜか男性にはもててしまう女性だった。彼女はほんのささいなきっかけで整形をします。甲斐子の写真を持って。そして整形後の彼女は、甲斐子の整形前の悲哀を味わうことになり・・。


 これだけの話だったら、「女性が思う美人と男性が思う美人って違うのねー」とか「いくら美人でも、内面からでる色気(お色気、じゃなく色気。清潔感のあるといわれる色気)がないとだめねー」なんて程度の感想で終わってしまうし、おもしろくない。このへんはいかにも姫野作品だなあと思うのですが、おもしろいのはこっからなのです。ふふ。


 その後、甲斐子は高学歴高収入の男とできちゃった結婚をし、子供もできます。が、なんだか毎日が満たされない。安倍子は自分が「整形美女」であることを隠し続けることが不潔であると思え、辛くなり、カミングアウトをします。そして自分の好きな道を進んでいこうとするところで話は終わり。


 ふたりとも、変身の仕方や美についての考え方が違うけれど、幸せを夢見て整形をしたことには違いないのになぜ、このような結末になってしまったのか。


 詳細は実際にこの本を読んでみてうなってみてほしいけれど、私は「主体性」、「自分の価値観」の問題ではないかと思いました。男性にもてるために自分の内面を変え、主体性まで消してしまい、価値観のよりどころは他人の目と化してしまった甲斐子は、自分が無意識に見過ごしている自分自身の価値観にフィットしていないことに気づけないがゆえに毎日が満たされなくなっているのでしょう。
 一方安倍子は主体性も自分の価値観も持ち合わせています。実は彼女は作品の中で年を重ねるごとに「自分の内面」を自分らしく作っていってます。私はこの作品では「美しさとは?」よりも「自分らしさ」の大切さを改めて感じました。



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私の泣ける小説は「終業式」

 2007-05-29
私の泣ける小説は、これです。

終業式 (角川文庫)
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star誰にでもある「あの頃」を思い出します
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全編を手紙で構成している恋愛小説。

高校の仲良し4人組の20年が手紙・FAX・案内状・授業中の回し文・出さなかった手紙などによって描かれている作品です。読者は、その手紙が書かれた時に彼女らの周りで何があったのか、また何を考えていたのかを手紙の文章から読みとりながら読みすすめていくことになります。  

こういう手法で進められると、読み手は手紙の書き手と同じような気持ちになってしまって、つい彼女たちと同じ時代を生きているような気になってしまいます。そして彼女たちが成長し、昔を振り返りながらもう戻れないことを認識し、次のステップへと進んでいくときのリアルな気持ちを書いた手紙を読むと、自分自身の「もう昔には戻れない」気持ちが自分の中で再燃し、思わず涙してしまいました。

姫野さんが青春時代を描くと、なんてこんなにリアルなんだろうと思わされます。「青春時代」なんて言葉を聞くと純粋な感じがしますが、この人は青春時代のやましさやいやらしさまでも描いてくれます。私たちが青春時代を思い出すときに恥ずかしいことばかり思い出してしまうだけに、すごくリアルさを感じてしまいます。。。。

って、そんなに恥ずかしい思い出ばかりなのか、私^^;





ツ、イ、ラ、ク

 2006-11-22

2回読んでしまいました。

小中学校時代を思い出させるノスタルジックな雰囲気の中で、恋愛と嘘について考える・・・ 私にとってはそんな本でした。

端的に言えばこの作品は、先生と生徒の恋愛ものです。
世代も立場も違う恋は障害が多く、つらいことも多いもの。
しかしこの作品は、数々の障害を乗り越えてどうの・・・という韓流ドラマのような展開ではありません。
「人に言えない恋」がいかに自分も相手もつらくさせてしまうかということや、お互いを守るためには嘘を重ねないといけなくなるということ、自分を心配してくれる親友にも隠し事をしたり、時には敵に回さなくてはいけなくなるということがリアルに描かれています。

みんなに冷やかされ、見守ってもらえる恋愛・・・結婚に結び付けられる恋愛がなんて楽で幸せなんだろう・・・と思ってしまいました。

それに加えて、閉鎖的な小さな町がいかに窮屈であるかも描かれています。うーんやっぱり田舎はイヤやな。





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プロフィール

♪にゃんこ☆

Author:♪にゃんこ☆
2004年3月に結婚(夫HN:グリーンウェル)、2005年1月に妊娠がわかり、同年9月に長男(HN:ぷちぐり)を出産しました。
さらに2008年5月に二人目を妊娠し、2009年1月に次男(HN:みにぐり)を出産しました。
そして2010年5月、三人目を妊娠。2011年1月に長女まめにゃんが誕生しました。
ただいま3人育児に奮闘中です。

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